Archive for the '週刊コラム' Category

リサーチャーの裏話(7) - 最近のリサーチトレンド③

やっぱり今でも草の根アプローチ

連日、ニュースでは総選挙の話題ばかりです。その中でちらほら目にするのが「どぶ板」選挙。候補者がどぶ板をわたって一軒一軒訪問して回るということで、「どぶ板」とつけらているようですが、営業でも同じ意味合いで「どぶ板営業」という言葉が使われます。

実は、リサーチでもどぶ板アプローチは使われます。最近は、個人情報の観点から消費者調査では、モニター調査が主流となりましたが、以前は一軒一軒を回って調査の協力をお願いすることがありました。産業調査では、まだまだ一社一社に取材をお願いするアプローチがとられています。

どぶ板アプローチでわかること

どぶ板は効率が悪いのは確かですが、リサーチャーの五感(プラス第六感?)で情報の奥を読み取ることができるので、なかなかリサーチアプローチとしては捨てがたいものです。センサーのように見たり、聞いたり、感じ取ったことをすべて分析に回すことができるのですから。

データも眼で調べる

最近は、統計ソフトも非常に良いものが出てきて、ぱぱっと主成分分析や回帰分析などができるようになりました。でも、ここでも人海戦術で生のデータをチェックすることがあります。

ソフトで困りものなのが、異常値や無効回答が混じっていても素直に計算して統計値を出してくれること。気がつかないでいると、変なデータでも集計表やきれいなマッピングまで出してくれたりしますから。確かにウェブアンケートでは、プログラミングによって異常値や無効回答を外すようにはしているのですが、少しでも「?」と思うと、生のデータを確認します。そして、アンケートに答えた人に生の声を聞いてみると、勘違いをして回答していた - ということもあります。

確かに、リサーチを効率的にできるようにさまざまなツールが出てきましたが、最後はやっぱりリサーチャーの目。目を肥やさないといけない、といつも感じます。

7 月 24 2009 | 週刊コラム | No Comments »

リサーチャーの裏話(6) - 最近のリサーチトレンド②

前回のブログで、リサーチに消費者の行動を理解しようとする動きがあると書きましたが、そのほかの大きな流れがマクロマーケティングリサーチです。

マーケット全体を理解しようとする動き

市場規模や市場構造、そして消費者を理解しようという動きがあります。市場がこの先拡大するのか、あるいは縮小するのか、そして市場の競合状態などの情報を集めてターゲット市場を選んだり、中長期的なビジネス戦略に活かされるケースなどです。

そのための調査は非常に複雑で、まずデスクリサーチから始まり、ヒアリングやアンケート調査なども行います。特に、「このような切り口で市場を見ることができないだろうか?」といった場合は、まず市場データがありません。いくつかの既存のデータを組み合わせて、その後にヒアリングやアンケートなどで検証していきます。

グローバルのトレンドを理解しようとする動き

今に始まったことではないのですが、多国籍調査がよく実施されています。つまり、多国籍に同時に調査を行うことによって、どの国のマーケットに魅力があるのかを見るという動きです。もちろん、最近注目を浴びているのが、新興国。

世界のリサーチのトレンドを見ていると、企業の興味がどこに向いているのかを感じ取ることができます。マーケットの理解から具体的なアクションへ - その時期はそう遠くないかもしれません。

7 月 20 2009 | 週刊コラム | No Comments »

リサーチャーの裏話(5) - 最近のリサーチトレンド①

日本でも同じ傾向があるのですが、海外でも広告関係のマーケティングリサーチが減ってきているようです。Research Managineなどのリサーチ専門誌では、広告のコンセプト調査などに活用されるフォーカスグループインタビューの受注が減っていると伝えています。

その一方で、最近増えてきているのが、消費者の行動を理解しようとする動きです。つまり、新製品を告知するとしても、今の消費者はどこを見て新製品情報を知ろうとするのか、どのような内容であれば買いたいと思うのか等を調べて製品の販売活動に活かすというものです。

複雑になってきたリサーチ設計

最近、特に多くなったと感じられるのが専門家を対象としたインタビュー調査です。将来予測をするときに用いられる方法ですが、デルファイ法と言って、多くの専門家の意見を集めてその内容を収束していく方法です。専門家といっても、広い意味で解釈すれば「その分野に詳しい」顧客も入りますので、オピニオンリーダーと言った方がよいでしょうね。

また、アンケート調査からの結果分析だけではなく、行動観察を組み合わせた分析も行われます。人の行動などを観察・分析するエスノグラフィーや、心理学でよく用いられる写真などのイメージから顧客の心理を理解する方法も使われるようになってきました。

分析も複雑だけれど…

ただし、調査設計が複雑になるにつれて、分析も一筋縄ではいかなくなります。ひとつひとつの情報を、仮説と照らし合わせながら検証する - その繰り返しです。かなり泥臭い内容なのですが、コツコツと分析をしていると何らかのパターンや全体的な傾向が見えてきます。そして、新しい発見があると一筋の光がさしてきたような(おおげさ?)気持ちになります。でも、私たちにとって一番わくわくするときは、その発見が次のビジネスへの一手へ活かせると見えたときです。

7 月 10 2009 | 週刊コラム | No Comments »

見て聞いて知るグローバルのマーケットトレンド情報

世界のニュースや情報も読むだけでなく、見たり聞いたりする機会が増えてきましたね。

中野がアナリストを兼務しているユーロモニターインターナショナルがショートビデオで各業界トレンドについて説明しています。

http://www.euromonitor.com/video

ポットキャストはこちらです↓

http://euromonitor.libsyn.com/

英語の勉強がてら、世界の業界のトレンドをチェックしてみてはどうでしょうか?

7 月 02 2009 | 統計の片隅 and 週刊コラム | No Comments »

リサーチャーの裏話(4)

【アンケート票 - 回答者目線とクリエイティビティ】

たかがアンケート票、されどアンケート票、というようにアンケート票の良し悪しによって、得られる情報の内容が変わってきます。

たとえば、あるアンケートで「あなたは、ガソリンを節約するようになりましたか?」と聞かれました。回答の選択肢を見ると、「ある」「ない」しかありません。車を乗らない私は「ない」と回答するしかなく、「関係ない」という選択肢があったらな、と思ったものです。。。

アンケート票を作る時気をつけること

そのようなケースを含めて、アンケート票を作る時はいろいろ注意点があります。その中で、いくつかめぼしい点を挙げてみました。

  • 調査の目的と調査結果の利用方法について - いきなりいろいろ質問されると、「何のためにこのようなことを聞いているんだ?」と不審に思ってしまいますよね。本題のアンケートに入る前に、まず別シートなどで、調査の利用目的を説明します。たとえば、顧客満足度調査で、「サービスや商品の改善のために…」と記されていると、次回のセールスのために使うのではないんだ、という不審感をぬぐい去ることができます。どのような調査でも、調査の目的と情報をどのように利用するかという説明は、必ず入れます。
  • 的確に、答えやすく - アンケートの中身ですが、関連付けた内容ごとにくくったり、答えやすい内容から段々複雑なことや具体的なことを聞いていきます。センシティブな内容は、表現を和らげたり、選択肢をたくさん設けてたりして、できるだけ回答しやすいように工夫します。まさに回答者の心理を考えて、どう聞けばいいのだろう、と考えてアンケートを作成します。
  • アンケート票のレイアウトの工夫 - アンケートで的確に、しかも記入ミスがないように回答してもらうためには、アンケート票のレイアウトも大切です。フォントの大きさを変えたり、マトリックスを作ったり。ウェブ調査票でも、紙の調査票でも同じです。いかに質問が少ないように見せて、エッセンスとなる情報を得るようにするのか - 工夫の見せどころです。

ちょっと苦労なのが、「どうせなら、これも聞いてほしい」という追加質問が増えてくるとき。そして、海外からの調査票で、日本人にはそのまま聞けない、というもの。そんなときは、「さて、」と腕まくりし、どのように工夫してアンケート票を作ろうか、と頭を悩ます反面、創造力も駆使してみます。

6 月 26 2009 | 週刊コラム | No Comments »

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