リサーチャーの裏話(10) - よく受ける質問②
【新商品・サービスの市場性は、どのように調べればよいのか】
新しい商品やサービスの市場性を調べたい - よく受ける質問です。前回のトピックと同じく市場規模に関する内容ですが、前回の市場規模の推定とは見る角度が変わります。つまり商品・サービスのカテゴリー毎の市場規模の場合は、同じような商品・サービスの売上から市場規模を見ますが、新商品・サービスの場合は、「買ってくれる顧客」の情報を軸に市場規模を考えます。
カテゴリーをまたいで顧客が移ってくる場合も…
たとえば、朝食スナックバーを考えてみます。スナックバー市場といえば、SOYJOYやヴィダーなどの商品がありますが、菓子パンの代わりにスナックバーを買う人もいますし、夏場は毎朝のおにぎりをスナックバーに変えたという人もいるでしょう。同じスナックバーのカテゴリーの中でシェアを奪うというよりも、別のカテゴリーの商品から顧客が移ってくるということもあるわけです。
買ってくれると想定される顧客について調べる
朝食スナックバーを考えてみたとき、どのような人が買うのか(年代、性別、職業など顧客のプロフィール)、どれぐらいの頻度で買うだろうかなど、アンケート調査等で調べていくと、ざっくりと購買数量が見えてきます。また、どれぐらいの値段で売られるのかによって、金額ベースでの売上が予測できます。
ここで気をつけないといけないこと
見落としがちなのが、アンケート調査などは「ある状態を仮定して」行っていること。たとえば、商品コンセプトを見せて使ってもらって調査をする方法では、「コンセプトを目にする」ことや、「商品がお店などに置いてある」ことを前提にしています。
でも実際はどうでしょうか?せっかく良い商品でも、「え?そんな新商品知らない。」という場合もありますし、「お店に置いていないよ。」という場合もありますし、「商品は良いかもしれないけれど、そのブランドは好きじゃないから興味ない。」という場合もあるのです。かなり現実の設定に近い状況でアンケート調査などが行われるのですが、なかなか100%現実の状況をシュミレーションをして調査をするのは難しいものです。
そこで、アンケート調査以外にも、発売前や発売時にどのようにして新商品・サービスを知ってもらうか(認知の方法)、ブランドの魅力の度合、そして小売店で売られる商品などは、商品の配荷率(配送されて陳列される割合)などを調べます。過去の実績から、これらの要素を掛け合わせて新商品・サービスの売上予測などをするわけです。
そして、市場では番狂わせも
また、売上を予測して、実際に商品・サービスを市場に出しても、番狂わせはあります。たとえば、他社が同じような商品を出してきたり、顧客同士の口コミで予想以上に商品が売れたという場合もあります。
そこまでして商品やサービスの市場性を調べる必要はあるのか、というご意見があるかもしれませんが、調べることでどこの市場に矛先を向けると良いのか、進むべき方向がはっきりしていきます。予測して、軌道修正しての繰り返し - 地味ですが、いつの間にか商品やサービスが市場で大きな存在感を持つ大切な道のりでしょう。
9 月 09 2009 08:10 am | 週刊コラム
