リサーチャーの裏話(9) - よく受ける質問①

今月は、よく受ける質問について取り上げていきます。

【市場規模の推定はどのような方法で行うのか】

市場規模の推定といっても、いろいろな方法があり、目的や市場のとらえ方によって推定方法が変わります。ここでは、海外の調査会社でよく行われている方法を取り上げます。

複合的なアプローチ

アンケート調査やインタビュー調査といった、ひとつの調査から情報を集めて結果をまとめるリサーチに比べ、市場規模を推定するリサーチは複雑です。情報を集める方法も、デスクリサーチやアンケート、インタビューと多岐にわたります。と、いうのも一つの調査方法で得られる情報は、限られてしまうからです。また、純粋に情報を集めるだけではなく、集めた情報をもとに情報の整合性を取り、分析をしていきます。

トップダウン・ボトムアップから情報を集める

情報を集めるときは、トップダウン - 市場全体に関する情報収集と、ボトムダウン - 現場からの情報収集という両側からアプローチしていきます。市場規模を見るときに、まず行うのが国内の官公庁の統計データを調べること。その産業の市場規模やそれに関連する情報をしらみつぶしに調べていきます。一方で、たとえば消費財の場合、市場で何が売られているのか、誰が購入しているのか、消費量は、といった情報を実際にお店に回ったり、商品やサービスを確認したり、消費者に関する情報を集めたりします。また、ものの流れに沿って、川上(メーカー)側からと川下(エンドユーザー)からも情報を集めて内容の整合性をとっていきます。

ここで、いくつか気をつけていることがあります。

ひとつは、同じ情報を複数の情報源や方法から確認することです。たとえばデスクリサーチをしていても、同じような内容が違った数値で出ている場合があります。またヒアリングの場合は、同じ情報に関する質問でも、お聞きした方によって答えが違うということがあります。情報の持ち方や立場の違いから出される情報が違う場合があるのです。そのようなときは、「なぜ」を武器に情報の整合性が取れるまで作業を続けます。

また、ボトムアップから一旦トップダウンにもどり、網羅しきれていないところがないかを全体から見て確認します。今、気をつけて見ているのが流通経路の変化でしょうか。以前は小売店のPOS情報でトレンドを見ることができたのですが、インターネットでの取引がますます盛んになってきていますので、市場によってはPOS情報だけでは不十分なケースもあります。

市場規模の推定は、マーケットのあらゆる接点での情報を集めに行きますので、毎回調査をするたびに新しい発見があります。もっとも、決して楽な作業ではありませんが。

8 月 14 2009 09:02 am | 週刊コラム

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