Archive for 6 月, 2009
【アンケート票 - 回答者目線とクリエイティビティ】
たかがアンケート票、されどアンケート票、というようにアンケート票の良し悪しによって、得られる情報の内容が変わってきます。
たとえば、あるアンケートで「あなたは、ガソリンを節約するようになりましたか?」と聞かれました。回答の選択肢を見ると、「ある」「ない」しかありません。車を乗らない私は「ない」と回答するしかなく、「関係ない」という選択肢があったらな、と思ったものです。。。
アンケート票を作る時気をつけること
そのようなケースを含めて、アンケート票を作る時はいろいろ注意点があります。その中で、いくつかめぼしい点を挙げてみました。
- 調査の目的と調査結果の利用方法について - いきなりいろいろ質問されると、「何のためにこのようなことを聞いているんだ?」と不審に思ってしまいますよね。本題のアンケートに入る前に、まず別シートなどで、調査の利用目的を説明します。たとえば、顧客満足度調査で、「サービスや商品の改善のために…」と記されていると、次回のセールスのために使うのではないんだ、という不審感をぬぐい去ることができます。どのような調査でも、調査の目的と情報をどのように利用するかという説明は、必ず入れます。
- 的確に、答えやすく - アンケートの中身ですが、関連付けた内容ごとにくくったり、答えやすい内容から段々複雑なことや具体的なことを聞いていきます。センシティブな内容は、表現を和らげたり、選択肢をたくさん設けてたりして、できるだけ回答しやすいように工夫します。まさに回答者の心理を考えて、どう聞けばいいのだろう、と考えてアンケートを作成します。
- アンケート票のレイアウトの工夫 - アンケートで的確に、しかも記入ミスがないように回答してもらうためには、アンケート票のレイアウトも大切です。フォントの大きさを変えたり、マトリックスを作ったり。ウェブ調査票でも、紙の調査票でも同じです。いかに質問が少ないように見せて、エッセンスとなる情報を得るようにするのか - 工夫の見せどころです。
ちょっと苦労なのが、「どうせなら、これも聞いてほしい」という追加質問が増えてくるとき。そして、海外からの調査票で、日本人にはそのまま聞けない、というもの。そんなときは、「さて、」と腕まくりし、どのように工夫してアンケート票を作ろうか、と頭を悩ます反面、創造力も駆使してみます。
6 月 26 2009 | 週刊コラム | No Comments »
【デスクリサーチ - データはどこだ?】
私どもでは、海外から依頼を受け、日本市場のデスクリサーチを請け負っています。主には、業界や市場の動向を調べるマクロ調査で、市場規模や業界の動向や流通構造についても情報を集めて報告します。と言っても、デスクリサーチだけですべて必要な情報が集まるわけではありませんし、要確認のデータも出てくるので、ヒアリングなども行います。
このデスクリサーチですが、既に出版された情報から集めるので、いわゆるインタビュー調査やアンケート調査と違い、比較的に低コストでできるものです。でも、手間は結構かかります。今回は、そのデスクリサーチのコツについて少しお話します。
デスクリサーチの源 - 検索エンジン、キーワード検索、データベース
デスクリサーチで大切なことは、検索スピードと検索結果の精度です。ウェブのサーチでは、Googleの検索エンジンパワーにはいつも助けられています。この検索で大切なのは、キーワード。関連しそうなキーワードを何回も入力して、検索結果をざっと見ていきます。
また、ウェブで公開されていない情報は図書館(主には国立国会図書館)やそのほかのデータベースで検索します。海外では電子データベースがかなり発達しており、それぞれのデータベースが保有している業界や市場の情報を探し出します。
情報の質の評価も命
一番時間がかかるのが、情報の内容確認です。特にウェブ検索をしていると、たくさん情報が引っかかってくるのですが、情報の出典によって、参考にできる場合とできない場合があります。特に出典があいまいな場合は情報がぶれるときがあるので、要注意です。内容確認をしている中で、主に注意するのは以下の点です。
- 引用情報の出先 - データを引用しているときは、できるだけさかのぼって元の情報を探しに行きます。
- いつ、どこの機関が、だれを対象に、どのような調査を - 調査の概要を確認します。
- 複数の情報で再検証 - 特に数値情報の場合は、GETした情報を別の情報源で確認します。少しでも「?」と思えばこまかく確認です。
注意すること
データ探しに追われると、「出典はどこだっけ?」ということになるので、まめに出典を記録する必要があります。また情報によっては、著作権の関係でそのまま引用できない場合があるので、こちらもデスクリサーチの用途と突き合わせて確認です。
あとあと楽になる手間暇
これだけしなければならないことがあると、「デスクリサーチって大変」と思ってしまうのですが、あるテーマで一度デスクリサーチをしておけば、次回良く似た課題があったときに、ぐっと楽になります。
でも、本当に世の中の情報量って多いですね。情報の選択、これからますます重要になってきそうです。
(文責:中野)
6 月 19 2009 | 週刊コラム | No Comments »
【海外でアツい定性調査】
日本では、インターネットのアンケート調査がかなり定着してきましたが、海外では数年前からアナログっぽいアプローチのリサーチ方法がHOTです。
人間の心理を分析するインタビュー調査
その一つが、インタビュー調査。ひとはなぜそのようなことを感じるのか、その商品やサービスを使うだろうかといった、人の行動や心理を分析するインタビュー方法を使って顧客ニーズを探ったり、新製品やサースの開発のためによく行われます。「このような可能性はないだろうか。」、「なぜそうなのだろう」という、探索的調査(ちょっとことばが難しいので、「何かを探る」ととらえても良いかもしれません)に使われます。
意見を聞くだけにとどまらない
インタビューというと、意見を聞く調査と思われがちですが、言葉以外の情報もとても重要な情報になります。たとえば、消費財の場合、訪問によるインタビュー調査ではどのような生活空間で製品が使われているのかがわかります。
また、「人間のコミュニケーションの80%は言葉以外のもの」、と言われるように、インタビューをした対象者の方の表情からも、意見をより深く汲み取ることができます。インタビュー調査では、発言録と言って発言を紙に書き起こすのですが、沈黙の度合いによって意見に困っているなどを感じとることができます。
インタビュー調査の分析
前回、リサーチは逆算の発想でというお話を書きましたが、インタビュー調査も同じで、インタビューを実施する前にある程度どのようなアウトプットにするかをイメージします。マインドマップのような模式的なものを作り、インタビューから内容を埋めていく場合もあります。定量調査の場合でもそうですが、あらかじめテンプレートを作って調査に臨みます。
一番緊張するとき
一人目の対象者にインタビューするときは十分準備はするのですが、いつも緊張します。予想外の意見が出てくるときもありますし、想定どおりに深く意見が聞き出せないケースもあります。通常、一人目にインタビュー調査をした後は、インタビューの流れや突っ込んで聞くポイントなどを確認して、適宜インタビューガイドを修正したりします。
インタビュー調査の醍醐味
一番の醍醐味は、何人かインタビューすると、共通項と違いが見えてくること。同じ「シンプル」感じたデザインでも、「シンプルだから良い」という人もいますし、「シンプルで物足りない」という人もいます。同じ「シンプル」でも、違った面をとらえることができます。
インタビューを終えて、「ああ、そうなのか」と感じることもしばしば。毎回毎回のリサーチが学びです。
(文責:中野)
6 月 12 2009 | 週刊コラム | No Comments »
今月より、シリーズでリサーチの現場の裏話をお伝えします。
【オーダーメイドのカスタムリサーチは逆算アプローチで】
カスタムリサーチ(カスタムメードのリサーチ)の場合、クライアントの打ち合わせをもとに、調査設計をし、調査を実施し、結果を納品します。まさにオーダーメードの服のようなものです。
まずアウトプットから
マーケティングリサーチの業務を受けるとき、私たちの発想としてまず考えるのが、「アウトプット」を「いつまでに」。
企画の場合、クライアントの方にどのようなアウトプットが必要か、対象者は誰かを確認し、じゃあどの調査方法が良いのかをリストアップしていきます。ときどき、「この調査方法で」といった指定もあるのですが、求められるアウトプットとにらみ合わせてもっと調査方法がある場合は、ご提案する場合もあります。
調査票やインタビューガイドづくりもアウトプット重視
調査票やインタビューのためのインタビューガイドを作る場合も同じで、どのような情報がほしいというリストをもとに、どのような聞き方をすれば、意見が出やすいかを考えて調査票やインタビューガイドを作ります。調査票やインタビューガイドを作りながら、いつも「こう聞けば、どのように答えてもらえるか。」を考えて、せっせと調査票やインタビューガイドをつくります。
調査方法も、この情報をGETするならフォーカスグループインタビューが良いとか、インターネット調査が良い、という形で調査方法を選んでいきます。
なぜ、このようにアウトプット重視になるかというと、リサーチの業務を請け負う場合、通常アウトプットを成果物としてお渡しするからです。
でも、調査目的がどんどん変わっていったり、スケジュールが変わっていくこともあります。私も調査業務を発注する側の立場にいたときは、「このアウトプットをいつまでに欲しい」と決めても、社内事情でスケジュールが変わったり、新しくこの情報がほしいという要望も出てきたりします。
アウトプットがフィットしているかどうか
そのようなときも、仕上がりのことを念頭に業務の工程を色々組み替えていきます。オーダーメードの服の場合は、お客さまに服がフィットしているか、というのが大きなポイントのひとつだと思いますが、カスタムリサーチも納品物がクライアントの調査の目的にフィットしているかが、いつもとても気になるところです。
(文責:中野)
6 月 05 2009 | 週刊コラム | No Comments »